この考え、実際どうなんでしょうか?
《値ごろ感は関係ある》
例えば、近頃、ドル円は100円を割り込んでいます。
少なくとも長期的にみたら、買うには値ごろだと感じる人は多いでしょうし、僕もそう感じます。
確かに、これから更に下落する可能性もあります。
しかし、更なる下落に耐えられるように、ある程度の証拠金をもっていれば、為替レートがいつか100円を超えることはほぼ確実なのですから、悲観することはありません。
実際、「チャートを分析して安値圏にあるのなら、将来的な上昇による期待値は大きい」という判断は的をえたものです。
それであれば、「値ごろ感は関係ない」とは言えないのではないでしょうか。
《値ごろ感の落とし穴》
先ほど赤字で色付けた「ある程度」と「ほぼ」の部分、ココが落とし穴です。
「100円割ったからお買い得。そのうち上がるから買っておこう。」程度の安易な感覚で取引すると、非常に痛い目に合うことがあります。
90円、80円へと想定以上に下落していって、どこかで証拠金が途絶えて強制ロスカットです。
「まさか70円はないだろう」とポジションを持ち続けたら、本当に70円になってしまって、資産の大半を失うかも知れません。
100円を割ったドルが二度と100円に戻らない可能性は確かにあるのです。
確率で言ったらほんの僅かかも知れませんが…。
現在為替取引を行っている成人の皆さんであれば、実際に1ドルが200円を超えていた時代を知っている人がほとんどでしょう。
(→プラザ合意)
米国サブプライムローンを発端としたドル円、クロス円の下落により、値ごろ感の罠にはまって大金を失ったトレーダーは大勢います。
ポンド円なんか、1年半で半値になりました。
250円が200円になった頃、多くの人がポンドに値ごろ感を抱きました。
180円になった頃、ものすごく値ごろ感を抱きました。
170円になった頃も160円になった頃も、更に値ごろ感を抱きました。
そのポンド円はとうとう140円を割りました。
「そろそろ上がりそうだから」という理由で買いポジションを持った人はことごとく損失を受けました。
逆に、下がっても下がっても、値ごろ感に関係なく売り続けた人が、勝ち組だったわけです。
《まとめ》
テクニカル分析の視点からも、値ごろ感が関係ないとは言えません。
しかし、過去に例をみない為替変動さえも想定したリスク管理は必要です。
それを怠れば、確率1%未満の出来事によって全財産を失うことになりかねません。
「そろそろ上がる(下がる)」と思うのはいいんです。
思い込むのがよくないんです。
リスク管理をしないのがよくないんです。
思い込みを防ぐため、自分自身を統制する手段として、「値ごろ感は関係ない」という格言を自分のアタマに貼りつけておくくらいがちょうどいいということなんでしょう。
~FXを始める、学ぶ。初心者から稼ぐFXマニュアル。テーマ「値ごろ感は関係ない?」END~
テーマ:FX(外国為替証拠金取引)を始めよう! - ジャンル:株式・投資・マネー
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